【痔ログ 前半】前触れなくお尻に激痛/いぼ痔、発症/痛くて気絶

いぼ痔手術
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いきなりドン引きなタイトルかもしれませんが、私は大痔主です。


忘れもしない2017年、夏。
何の前触れもなく 「痔」が痛みだし、自分が痔主であることを知りました。

日本人の3人に1人は痔主

痔の業界では日本人の3人に一人は痔主と言われております。

それを正面から鵜呑みにした私は、友人にもあまり恥ずかしがらずに、痔が痛かった話をしてました。

ところが、全く1/3ではありませんでした。単なる痔のカミングアウトでした。

知り合いで痔主なのは、1人しかいません。


とはいえ、私も痔主だと気づいていなかったので、たぶんこの世の中には本人が気づいていないだけで、隠れ痔主はもっと居るのでしょう。

この「痔」というものは想像を絶する痛さでした。

きっと今この時間も世界のどこかで、痔の痛みに耐え、
涙と冷や汗を流し、夜も眠れぬ方がいるのではないかと思います。


そして痔になって初めて「女性の痔体験が少ない」と気づき、世界でたった1人だけ痔と戦っているような錯覚に陥って、心細くなるので…

私の痔エピソードを書き留めておこうと思います。

発症痔の様子~1週目

2017年の夏は、仕事がさほど忙しくなかったので、

お盆休みは家のエアコンの効いた部屋で、
ゴロゴロしながらアイスを食べ、冷え性の私には、ちょっと寒いかな?と思う夏を過ごしました。

そんなふうに涼しく過ごしていたある日、美容院に行きました。


カットだけでなくパーマをかけたので、約3時間、
エアコンの冷気の下、座りっぱなしで過ごしました。
寒いな~と思いながら、雑誌を読みふけっていました。

その帰り道。

「あれ・・・?なんか、お尻に違和感・・・?」

Siriに何かが挟まっている感覚

どんな様子かというと、
肛門に便か何かが挟まったまま、
出ていきもしないし引っ込みもしない、何かが詰まっている状態のような感覚でした。

痛いというよりは、違和感がある感じでした。


美容院が終わったのが夕方5時頃。
その後、電車に乗って、近所のスーパーで買い物して、家に帰ったのが7時頃。

このころには、肛門に激痛が走るようになりました。

痛みの様子は、脈を打つような痛みではなく、
とにかくずっと痛くて、肛門をつねられたような痛みが常時ありました。


果たして自分の肛門に何が起きているのか、勇気を出して確認しようと、
恐る恐る鏡で尻を見てみると、

大豆くらいの大きさで、どす黒く赤く腫れ上がったグロいなにかの異物が飛び出していました。



え、これなんだろう…

それが私といぼ痔の本格的な出会いでした。(出会いたくはなかった)

痛くて気絶

この日は週末だったため、病院もあいていません。


もしかしたら寝たら治るかもしれない…と思いましたが、
そんな期待とは裏腹に、次第にどんどん痛みが増していき、
夜中にはあまりの激痛で、脂汗が止まらず眠れませんでした。

この赤黒い豆のような塊を触って大丈夫なのか、
肛門の中に入れた方がいいのか、それとも引っ張り出した方がいいのか、
もう何ひとつわかりませんでした。(検索しても何が正解かわからなかった)

あまりの激痛に、救急車を呼ぼうかとも思いました。
しかし「こんな夜間に肛門の先生なんかいるわけない」と言い聞かせ、
翌日病院に行こうと決心しました。



また、正直このころはまだ私に「恥じらい」というものが残っており、
肛門を見せるなら女の先生がいいと思っていました。

激痛で意識朦朧とするなか、「女性 先生 肛門科」で検索し、
会社の近くの病院をみつけたので、通勤前の朝いちに行こうと決めました。

スマホで検索をしながら、眠ったのか気絶したのかもわからない状態で、気づいたら早朝でした。

脂汗を流しながら病院へ

朝になったからと言って痛みは改善しておらず、
動くのもままならない状態でラッシュに飛び込み、
脂汗を流しながら病院に行きました。

病院のオープンと同時に1番目の患者として受付してもらいました。
待合室では、肛門科ならではですが、円座クッションがおいてあったので、それに座って数分待ちました。

先生の診察で、涙ながらに「昨日から痛くて眠れない。赤く腫れあがっていてとにかく痛い。」と痛みをうったえると、

「では見せてください」と言われ、
履いていたスカートを脱ぎ、パンツを下げてベッドに転がります。
痔になって初めて知った「シムスの姿勢」になります。


ベッドに横向きに寝かされ、「あ~イボ出ちゃってるわね~」と言いながら、
激痛の肛門に指を突っ込まれました。

きれいな女医さんだったのですが、それはそれは激しくグリっと突っ込まれました(泣)。

先に病状をお伝えすると、このときの私は「嵌頓痔核(かんとんじかく)」でした。

先生「あなたは元々いぼ痔が肛門の中にあって、それが今は外に飛び出して嵌頓痔核になってるの。
飛び出して、血の巡りが悪くなっている状態ね。
場所は、ちょうど時計の9時のあたりが腫れてるわね。(絵を書いて説明してくれました)
これはとにかく戻すことが大事だから、なるべく戻してあげてね。」

肛門の内側にあるいぼ(皮膚のたるみ)が、肛門の外に飛び出し、
さらに、その飛び出したたるみが肛門に絞められた状態になってうっ血し、
血の巡りが滞って腫れ上がった状態でした。

「指を輪ゴムでしばって、血が流れないようにうっ血させた状態」と同じです。

そういえば昨晩、一瞬痛みが和らいだような気がした瞬間があったのですが、それはおそらくたまたま肛門の中に収まってくれて、血が少し流れたからではないかと思います。

先生「いぼは、一度出来ると外科手術をしない限りなくならないから、うまく付き合っていかなければならないの。
最近、便通はどう?」

私「下痢と便秘が交互にくるというか・・・下痢のほうが少し回数が多いですね」

先生「あらーそれはダメね。腸内環境が悪いのがお尻には最悪。腸の環境を整える薬を出すので、毎食後飲んでください。
あと座薬を出すので、朝と夜使って下さい。朝、排便があればその後にね。」

と、薬を処方されました。

処方された薬
・ラックビー
・ネリプロクト坐薬

それと、先生からのアドバイスは、「いぼが出たらとにかく中に戻しなさい」でしたが

中に戻すのも激痛ですし、腫れているので肛門に入り切らず、ちょっと歩けばすぐ出てきちゃうような状態だったので、これがとても苦労しました。

電車に乗る前に駅のトイレでいぼを押し込み、電車を降りたらいぼを押し込み、会社に付いたらいぼを押し込み…

「ただでさえ痛いいぼを、痛みを我慢しながら自分で肛門に突っ込んで戻す」
というのが、本当に難しいです。
いぼを入れないと痛いけど、入れるのも激痛・・・。

30分ごとにトイレに行っては押し戻し、飛び出しては押し戻し・・・
そんなにしょっちゅうトイレにもいけないので、ロッカーや物陰に隠れて押し戻したり、
会議のあとは会議室から最後に出るようにしてこっそり押し戻したり・・・

事情を知らなかったり、痔の辛さを知らない人に見つかったら、
「あの人、パンツに手を突っ込んでる・・・!」と不審者として見られると思います。

こんな生活でした。(泣)

薬をもらったところで痛みはなくならない

私は「病院にさえ行けば、痛くなくなる」と思っていたのですが、
それは甘い考えでした。

ここから4週間ほど、痛みが続きました。

特に、発症から2週間は、ほぼ痛みの改善がないまま過ごします。

私の意識は、寝ても覚めても常に尻。

今振り返っても、恐ろしい1ヶ月でした。
仕事は待ってくれませんので、何食わぬ顔で仕事していました。

ただただ辛い。

いぼも飛び出る。

発症2週目:1週目と何ら変わらず、激痛

1週目と何ら変わらず、常時激痛

発症から1週間がすぎ、発症時には「1週間も経てばすこしはましになるだろうか」と思っていたのですが、何ら変わらず激痛でした。

相変わらずいぼも出ます。

グリッといぼを押し込むと和らぐ

診察のときに、先生が容赦なく私のいぼ痔を中に押し込み、言葉にならない痛みがあったのですが、
それでも先生に押し込まれた後は、

ほわぁ~~と一時的に痛みが和らぎました。

自分だと、いぼが痛くて遠慮してグリっと奥まで押し込めず、すぐ出てきてしまうのですが、
ときどき先生とおなじくらいしっかり押し込むことができると、中まで収まって血がめぐるのか、本当に一瞬だけホッとします。

発症3週目:ほぼずっと痛い。しかし腫れは小さくなっている。

初診から2週間たったあとに2度目の診察があり、先生に「何も改善が見られない、痛い」と訴えたのですが、どうやらそういうものらしいです。

3週目も、基本的には常時頭の中に尻の痛みがあり、ずっと痛いです。

しかし、外に出てくるいぼ痔の見た目は、徐々に小さくなりました。

3週目の後半になると、午前中は痛いものの、午後(昼食を食べた後)になると痛みがなくなる時間帯も出てきました。

発症後、初めて「痛みを感じない時間」が生まれました。

薬が変わる

薬の変更がありました。

  • 強力ポステリザン(ネリプロクトより少しマイルドな薬(?)に変更)
  • ビオフェルミン錠剤
  • コロネル500mg

少し体調やコンディションが悪いとすぐに尻に影響があるような状態で、韓国語のレッスン中、あまりの痛さに
「先生。トイレ行きたいです(泣)」
と恥を忍んで告白し、トイレに行きイボを押し込み、気休め程度のウォシュレットをしました。

発症4週目:やっと日常に近づいてきた

4週目にして、ついに治ってきた兆しを感じました。

普通にしている時間も、50%ほどは痛みを忘れられるようになりました。

排便のときは相変わらず痛いです。

なお、発症してから気をつけていたことはこちらです。

・長時間同じ姿勢にならない。(1時間に1度はトイレにいく。立ち続けるのもNG)
・排便はいきまない。もれそうなくらいギリギリにいって、リラックスした状態で産み落とす。
・温かいものを飲み、体を冷やさない。
・肛門をキュッとしめる体操をする

発症5週目:ほぼ日常に戻った

4週経過後、3度目の通院をしました。

この頃の症状は、ほぼ痛みはありませんでした。
時々痛くなることはありましたが、病院で処方されたネリプロクトを入れると、かなりやわらいで回復しました。

先生にも、改善の近況報告をしました。

またお尻を見せると思ってよそ行きの下着にしていたのですが、
もうこの日は見せませんでした。

その翌週、6週目になると座薬を入れたくなるような痛みもなくなりました。

ただ、整腸剤だけは、処方された薬がなくなるまで飲んでいました。

腸内環境の改善が痔予防に直結します。



改めて振り返ってみても、人生最大の痛みを感じた4週間だったと思います。

痔はQOLを下げる病気。いぼ痔が治せる時代でよかった!

いぼ痔がこんなに痛いなんて思っていませんでしたが、今が激痛でも、いつかはいぼ痔は良くなります。

痛いときは本当に「痛い」しか頭の中に浮かんできませんが、
この21世紀はいぼ痔は治せます。

薬を使い、腸内環境を改善し、便秘と下痢を防げば、
かなりの改善ができますし,

どうしても痛かったり、肛門におさまらないサイズになったときは、
手術をすれば治ります。

これが江戸時代だったらどんなに辛く恥ずかしく苦しい病気か・・・

そう考えるとゾッとするくらい痛さと苦しみを感じ、QOLを下げる病気だと思います。

でも、治せる!これだけが当時の希望でした。

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