【日本語教師養成講座420時間】教育実習関連メモ

日本語教師養成講座420時間
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日本語教師養成講座の授業をオンラインで受講していますが、
教育実習に関連する授業の部分だけは動画の視聴のみならず、
双方向の、先生がいて受講者がいるようないわゆるリアルタイムのオンライン授業を受けています。

授業(教育実習)をスムーズに行うために、日本語文法の細かな分析や教え方、注意点と、
実際の授業(教育実習)の練習をしました。

私の時は、毎週土曜日か日曜日のいずれか1日、朝9時から18時ぐらいまでの授業を受けました。

全13回でした。

慣れるまではかなりハードでしたが、2週目、3週目ぐらいからは徐々に慣れてきて、
休み時間のタイミングなどもわかってきて、そんなに大変じゃなくなりました。

1週目 90分授業、きつい

初日はとにかく大変でした。

90分一コマになっているのですが、90分の授業は大学の授業以来なので、
脳がクタクタになって大変でした。

しかし、良くも悪くも先生が厳しかったので、
眠くなることなく集中して授業を受けることができました。

所感としては、このような感じです。

  • 講義スピードが早すぎ&情報量が多いのでメモれない
  • 事前に動画で見ていた基礎講座内容の重要ポイントがやっっっとわかる
  • ネイティブが母語を教えるのは相当難しい
  • 習った日本語だけで説明するのも難しい
  • A4のWord1枚の宿題でも相当難しい
  • 90分授業はつらい

外国語は、ノンネイティブから学ぶのも一理ある。

むしろ、ある程度スラスラ言える中級くらいまでは
ノンネイティブに習った方がいいかもしれない
…とさえ思いました。

少なくとも、
『その言語の教授法を学んでいないネイティブから、
初級の内容や基礎文法を学ぶのは全然ダメだ』と痛感しました。

理由としては、

母語というのは自然と身につくため言語の構造をほぼ意識していないので、
それはつまり「自分が理論的にわかっていないことを他人に説明することはできない」からです。

以前、カフェトークでとあるネイティブの先生のレッスンを受けた際、
「教授法を学んでない先生だけどまぁいっか」と気楽に申し込んだのですが、
本当にいまいちでした。

今となってはそれもそのはずだと実感できます。
その先生の韓国語の説明がイマイチだった理由がよーくわかります。

ネイティブである日本語の説明を私自身うまくできないように、
その先生も韓国語の説明がうまくできなかったのだと思います。

もちろんネイティブなので、間違っている部分や、適切で正しい文章はわかります。
しかし、その正しい文章がどのような構造、
どんな理由に基づいて変化したのかなどを説明することができないので、
学習者側としてはロジカルに理解することができず、
腑に落ちず、
結果的には、大してよくわかっていない文を覚えるだけの内容になります。

※私自身が、一旦頭で言語構造を理解したいタイプだから、という理由もあるかと思います。
私は比較的理系っぽい頭のため、感覚やニュアンスですとかえって掴みにくいのです。


・・・ということで、今回の授業を受けて色々と気づきが多かったです。

この授業が始まるまでは、
ひたすら自分でオンラインで動画を視聴し、
日本語の教授法などを勉強してきたのですが、
動画だと淡々と進むので、何が重要でどこが教授のポイントなのか全くピンとこなかったです。

でもこの授業を受けて少し感覚がわかりました。

コロナになりオンライン受講が増え、簿記も録画済み動画の講義を聞いて合格したので、
このwebコースを受講するまではオンライン受講最高!と思っていました。

しかし、今回、明確な短所だと感じました。(動画の作り方の問題かもしれませんが)

双方向のコミュニケーションのある授業の良さを改めて実感しました。

あとは、欲を言えば、集中力を保つために、
45分の授業を2回やったほうが効率がいいかなという感じがしましたが、
こればかりはまあ仕方ないです。

2週目 ドリル、奥が深い

今回は、引き続き教授法の基礎講座ですが、その中でも実際の授業中に行う練習、
いわゆる「ドリル」の作成を中心に行いました。

ドリルといっても、種類がいっぱいあります。

単純に先生の発音を繰り返す、ミムメムと呼ばれるドリル、
書かれている動詞を、いま習っている動詞の活用に変えて言わせるドリル(食べます→食べたら など)、
文章を自分で考えて言わせるドリルなど…

学習者の立場ではあまり深く考えて来ませんでしたが、
このドリルはいろいろ考え、工夫して準備しないとスムーズに進行できません。

例えば、いきなり難しいことをやっても学習者はスラスラ言えませんので、
当然簡単なものから徐々に難しいものにしなければなりませんが、
何が簡単なのかが日本語話者的にはわかりにくく、難しいです。

また、すでに習っている言葉だけを使って問題を作らなければならないので、
単語にかなりの制限がかかります。

少ない単語の中で文章を作ろうとすると、
そもそも日本語としておかしな文章もよく出来上がります。

ご飯を食べたら、あいさつします。なんて文はおかしいですよね。

日本語の文として正しい文であり、かつ今まで習っている単語で言える…
そんな文章を考えて作らなければならないのは、想像以上に難しいものでした。

クラスメイトみんなで四苦八苦しながら考えました。

3週目 教育実習の内容を決める

420時間の講座の中で、模擬授業(授業の練習)を含め、3回の授業を行います。

今回は、その教育実習で担当する文法を選びました。
希望文法・希望日程が重複した人とは、じゃんけんで決め、無事に勝ちました。
希望のテーマを選べないような気がしていたのですが、案外すんなり決まりました。

しかしここからちょっとトラブルがあり、
結果的に、意図していない文法を担当することになりました。

というのも、肝心の文法を決めるときに、パソコンが落ちました・・。

しかも、こういうときに限ってなかなかスムーズに再起動されませんでした。

あわてて再起動をしている間に、
クラスの中で、私が消えたことはもちろん、それ以外にも色々とひと悶着あったようで、
欠席裁判のようになり、希望していた日程と希望文法から外されていました。

なんでやねん!!笑 と思いつつも、
私もPCが落ちてしまって議論に参加できていませんでしたし、
残り物には福があると思うことにして、了承しました。

むしろよかったかも、と考えるようにします!

それにしても、PCが落ちたのはこの日だけでした。

なんという運のめぐり合わせでしょうか。

4週目 慣れてきたが、うまく例文を作れるわけではない

4週目ともなれば、徐々に授業でやることも理解できるようになってきて、
注意しなければならないポイントもわかってきます。

かといって、外国人に日本語を教えるのに適切な場面や適当の例文が、
すらすらと考えられるわけではありません。

何を言っても先生にダメ出しされて、まぁときどきやる気がなくなりますね。

言語は理論と違い、曖昧さがあり、
さらにこの授業は担任の先生が2人いて、毎回交互に先生が変わるため、
そのせいで先生同士の指導内容に辻褄が合わない部分もあって、
先生に質問しても正解なのかいまいちわからない部分も多くて混乱しました。

例えば、語彙コントロールの観点から、教科書に出てきていない(まだ習っていない)単語を授業では使ってはいけないというのが基本ルール。

1人の先生はとにかくその語彙コントロールに手厳しいため、
いちいち索引を引いて、教科書に載っていてわかりやすい単語なのか、
ちゃんと確認できていないと本当に使ってはならないイメージです。

それにもかかわらずクラスメートはどんどん習っていない単語をたくさん使います。(なぜだ)

それに対して、もう一方の今日の先生は特に注意がありません。

不思議です。

教科書にない単語であっても、別途あらかじめ教えれば良いのですが、
あきらかにそんな単語普段使わないよね…と思うような、一般的とは言いがたい単語も、スルー。

基準に差がありすぎて、ちょっと混乱します。

その単語を使う方も使う方ですが。

(例えば、「宇治市役所」「町内会」など、日本人でもあまり口にしない地名や名詞など)

5週目 若干惰性になってくる

だんだん慣れてきて、ちょっと惰性気味になってきました。

とはいえ、すぐに当てられるので、ぼーっとはしていませんが。

クラスメイトも慣れてきて、お互いにトンチンカンな回答は減ってきて、
効率的で的確な質問や回答が増えてきました。

6週目 教育実習の準備に入る

翌週の7週目から教育実習の練習が始まるので、教育実習に特化した授業を聞きました。

学生への指し方、指示の出し方、アドバイスの仕方などです。

今まで学習者側だった立場としては何にも考えていませんでしたが、
指示を出す側になると、結構いろいろ考えて指示を出さなければなりません。

例えば、「Aさん、これはなんですか?」と質問すると、
「Aさん」と呼んだ時点で、他の人は当てられないと思い、油断します。

「これはなんですか?Aさん。」だと、質問の瞬間まで、クラス全員が緊張感を持って参加します。

結構奥深い内容でした。

7週目 教育実習の練習が始まる

今日から教育実習の練習が始まりました。

私の順番は後半のほうなので、今日は、外国人留学生の役をしました。

日本人なのに、普通に間違えました。笑

例えば、↓のイラスト。

これを見て文章を言うとしたら、答えは一つではありません。

  • 私は英語を勉強します。
  • 私は英語の授業を受けます。
  • 私は英語が好きではありません。
  • 私は英語を勉強したことがありません。

などなど。

そのため、先生役のクラスメイトが正解とする文章が言えないのです。笑

たっくさん間違えまして、本当に申し訳ないことをしました。

このころになると、授業自体はそんなに大変ではないのですが、
このときまさに並行して自分の教案を考えなければならず、
実はパワーポイントの準備や教える内容の検討で、
授業以外のかなりの時間を授業準備にさいていました。

普通に夜中2時3時まで教案を考えることもありました。

以前、日本語を教えている先生に質問ができるという授業があったのですが、
そのときに先生が「時給で考えると相当安い」とおっしゃっていた理由がよくわかりました。

この時点で、授業の準備に相当時間をかけているので、
もし自分が先生になったら、特に初年度(初回の授業)は自分の教案も教材もないので、
準備しなければならないことも多く、かなり効率が悪いと思います。

一度準備できれば、次回以降は楽になると思いますが、
そうは言っても、対面の授業なのか、オンラインの授業なのか、1対1なのか複数の生徒がいるのか等によって、毎回授業をアレンジしなければならない事には変わらず、
授業時間以外に、授業の準備をすることに対して相当の労力が必要だということを実感しました。

8週目 ドッキドキの教育実習

教育実習が続きますが、ついに自分の番が来ました。

先週、クラスメイトの教育実習を見ていたのでなんとか形になりました。

欠席裁判で自動的に決まった文法ですが、
簡単すぎず、かといって難しすぎず、ほどほどに難しい文法でちょうどよかったかもしれません。

緊張しましたが、実は何度も何度も家で練習したので、とってもスムーズにできました。

頑張った甲斐がありました。

とはいえうまくいかなかった点や、分かりにくかったと言われる点があるので、そこを改善したいと思います。

※1人あたり45分の授業を準備するのですが、本当に何度も練習をしました。
仮に10回練習したとして、45分×10回=450分(7時間以上)…喉も枯れるわけです。

9週目~11週目 授業の練習→フィードバックの繰り返し

ここからは、「45分間の授業練習→クラスメイトや先生からのフィードバック」の繰り返しでした。

自分も授業をしてフィードバックをもらいますし、クラスメイトの授業のフィードバックをします。

フィードバックしあうなんて絶対嫌だ!と思っていましたが、
所詮みんな同レベルですので、たいしたことありません。

また、日本人同士ですから、
ストレートに注意することもなくオブラートに包んで話しますし、
もちろんだめなところはだめなので、改善点として受け止めて、次回に繋げます。

私達のコースでは、練習として45分×2回、教育実習として45分×1回の授業をしました。

教育実習は、実際に外国人の日本語学習者が来て、一緒に勉強します。

普通にたくさん間違えるので、注意指導をしていたら時間がオーバーします。

そのあたりも勘案して、数分短めに終わるのが理想です。

12,13週目 教育実習

教育実習は、結論から言うと、満足できるものでした。

学習者のレベルが高かったこともあり、時間がオーバーすることもなかったですし、
間違えたところもたくさん修正指示することができました。

私が心がけていたのは、単に修正するのではなく、
「なぜそうなるか」を必ず添えていました。

動詞の活用の誤りであれば、

この動詞はグループ1ですから、イ の音が、エ の音に変わります。ですから、「飲めません」です。

など。

前述の通り私は行間を読むのが苦手で、感覚でつかむことができないので、
学習者の立場であるときはこのように文法的にパズルのように説明してほしいタイプです。

言語は理論じゃないので、全てをパズルのように組み合わせられるわけではないですし、
長い目で見るとこのような形では全然良くないですが、
まず構造を知り、組み立て方を知らないと、それをそのまま丸暗記することも難しいですし、
JLPTのときに万一すぐに思い出せなくても、原理原則がわかっていれば、考えて答えを導き出せます。

そのため、できるだけ文法的に説明しながら進行しました。

学習者の中に、私と同じタイプの中国人学習者がいて、
説明を添えて訂正してあげると、わかった!という顔をします。

これがとっても嬉しかったです!

私もスッキリしました。

この中国人学習者の日本語が、メキメキ上達して本当にうまくなったらいいなと本当に心から思いました。

応援したいと思いました。

ということで、教育実習編はこれで終わり。
あとは後日、給付金関連をメモっておこうと思います。

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